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Japaayurveda

日本人の、日本人による、日本のためのアーユルヴェーダのつもりが今のところ只の雑文録。

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ロス祭り(?)継続中。これは博士最後の著作で、デーヴィッド・ケスラーさんという、お弟子さん(?)的ポジションの人との共著でもあります。

この単行本の表紙が美しくて欲しかったのですが、もう中古しかないみたいで、場所も取るし。と思い直して実際に買ったのは角川文庫のほうです。

人生は魂の修行の場。というスタンスの博士が、自身やかつて受け持った患者のケースでもって、人生で直面する様々な課題―愛、人間関係、喪失、罪悪感、恐れ、怒り、忍耐、許し、遊び、等々―について語る。というものです。

読んでいて、イマイチ、これまで読んだ自伝を含めた4作に比べ、集中力が持続しないというか、あんまりのめりこめない。おかしいな?と思っていました。

それぞれの課題について、ケスラーさんが自分の経験や自分の患者の経験。ロス博士が同じく自分の経験や患者の経験。について語る。という形式をとっていて、長さは自由なので、ほとんどロス博士の文章の章でケスラーさんの文はほんの少しだったり、逆にケスラーさんがかなり語って長かったり、と二人の文章が交互…でもないですが、混ざって出てきます。

後半のほうで、これがのめりこめない原因だ、と思いました。

わたしは英語は出来ないほうですけれども、英語だって、日本語の「書き言葉」に個性が出るように、論理の展開の仕方、単語の選び方、たたみ掛けるような話し方、など個性はあるでしょう。

ロス節一辺倒じゃなくて、このケスラーさんの話。がいちいち合間に入るから、どうもスピードに乗れない、というかのめりこめないのだ、とわかりました。

この人も悪い人じゃなさそうなんですが、例え本が半分の厚さになっても、ケスラーさんのパートを入れないで、ロス博士のパートだけにして出版すれば良かったのに。とちょっと思いました。

とまあ、読んでいて少し前作と比べると不満はあったものの、後半に行くに従い、心は凪いできました。

そのレッスンにまさに直面しているときは身にしみて読めるでしょうし、自分がこんなことまで魂磨きのレッスンとは思わなかった(遊びのレッスンなど)レッスンについては、それを意識する良いきっかけになるでしょう。

手元において何度も時期を改めて読み直すには文庫のほうがよいのかな、と思いました。

今回一番心に響いて過去四著にも出てこなかったエピソードとしては以下が挙げられます。


……第六章 罪悪感のレッスン より……


エレンは15歳で妊娠してしまい、罪の意識と恥辱に苛まれた家族はエレンを隔離して出産させ、生まれた娘を養子に出す決意をした。

45年後、死の淵にあったエレンが書いた、会ったことのないこの最初の娘への手紙。

『あなたがこの手紙を読むとき、わたしはたぶんこの世にいないでしょう。
わたしは自分の人生に満足しています。

でも、あなたがそばにいないことだけが、いつも気がかりでした。罪の意識を忘れたことはありません。
あなたに会うべきではないとわかっていながら、せめて、もしあなたがわたしに会いたいとすれば、会える手筈だけは整えておこうなどと思ったこともあります。

でも、もう時間がありません。最後にこの手紙だけは残しておきたいのです。
たとえどんなに不公平な人生でも、力のかぎり生きる道さえ見つけることができれば、死ぬときに価値ある死にかたができます。
それがむずかしいことははわかっています。

わたしは若いときに不公平な人生に巻き込まれてしまいましたが、あなたの人生はまだこれからです。
価値を見つけることができます。完璧じゃなくていい、価値があればいいのです。

あなたはわたしに必要とされていた。それを知ってほしいのです。あなたを手放したいなんて思ったことは一度もありません。
ある意味で、わたしはあなたを手放してはいないのです。

どうかいい人生、意味のある人生を送って下さい。

もし天国があるのなら、わたしは天国からあなたを見守り、あなたが死ぬまであなたを守ります。

あなたにその時が来たら、きっと会いましょうね。

それだけが願いです』


奇しくも、うちの母の最期の言葉と一部被っていたので、泣けて仕方ありませんでした。

ちなみにこの手紙はエレンの死後家族によって発見され、ラジオで話題となり、娘かもしれないと名乗り出た女性はDNA鑑定で、生き別れた娘さんだと証明されたそうです。
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